蒸気タービン機関車

ありそうでないような、それでも実在した
意外に知られていない機関車たち

 

 蒸気タービンが登場し、ほどなく船に応用されましたが、当初は高速回転が得意なタービンにスクリューを直結する方式だったため低速回転となり効率が悪く、タービン化のメリットはあまりありませんでした。
 その後、減速装置が登場し、一気に効率、性能が向上、急速に普及することとなったのです。 当然この流れは鉄道に及びました。当時、ディーゼル機関車の性能が低く、大出力の蒸気機関車を置き換えることは困難で、蒸気動力によるより効率的、高性能な機関車が求められたのです。

 動力伝達はタービンの高速回転を活かした電気式、あるいは減速歯車を介した直結機械式でした。出力は7000馬力に迫り、機械式の場合、逆転できない関係で後進専用のタービンを搭載していました。 なかには使用済みの蒸気を復水器で水に戻して再利用し、熱効率を上げようとするものまでありました。

 レシプロエンジンと比べていくらタービンが小型でも、大きなボイラーはどうすることもできません。結局時代の流れとともにボイラーの要らない内燃機関に道を譲ることとなったのです。 一時はボイラーの要らないタービン、つまりガスタービンに期待が集まりましたが、結局ディーゼルの性能向上が進み、これらタービン式蒸気機関車は普及するにはいたりませんでした。

 以下のリンクで往時を偲んでください。 また、未来へ向けた計画も胎動(?)しています。

580トンを超える電気式蒸気タービン機関車

復水器まで備えた電気式蒸気タービン機関車

6900馬力、500トンに迫る機械式直結駆動の蒸気タービン機関車 (画像)

イギリスの機械式蒸気タービン機関車

蒸気タービン機関車での動力伝達方式の比較

240km/h、蒸気動力世界最高速度記録に挑戦しようとする機械式蒸気タービン機関車開発運動

ブラジルでの15000馬力原子力蒸気タービン機関車の提案